スペースチャージ(空間電荷:space charge)接続という言葉は2015年7月最近耳にしました。このサイトをご覧の方から、61歳になって初めて教えて頂いたのです。

動作原理はグリッドを2個直列にすると電荷によるグリッドができるというもので、SLVCCCにおいてテキトーに予測していた「直列グリッド電界」の考えとほぼ一緒だったため、なんだかホッとしています。

そこで早速スペースチャージ接続なるものを計測してみることにしました。計測回路は下の図のようになります。


             


まずはSLVCCCで好評だった6AS6を測定してみました。


          


コントロールグリッドであるEg3はプラス側しか機能せず、球を換えてみましたがあまり変わりません。プラス側における入力インピーダンスは1kΩ程度です。こんなはずでは・・・。

これでは増幅作用は期待できませんので、気を取り直し他の球を調べてみることにしました。次はこれまたSLVCCCで好評な7543で、6AU6似の球とされています。すると・・・


           

オオッ!なかなかイイではありませんか。増幅度μは高いところで8程度あり、相互コンダクタンスは同様420μSほどで、確かにEp=6Vで増幅作用を持っていると分かります。

後期の真空管に比べると決して高い値ではありませんが、例えば古典球の27はμ=9、Gm=900μS程度ですから異常に低い値とも言えません。またプラス側に振れた時の入力インピーダンスは1,7kΩくらいです。

こうして気をよくしたため、次々と色々な球を計ってみました。ちょっぴりレアなスペースチャージ特性カーブ特集をご覧ください。


          

6AU6はμ=6、Gm=300μSでした。


          

6BA6はμ=5、Gm=300μSでした。どうもハイGm管はあまり向かないのでしょうか。


          

やはりハイGm管の6EJ7はμ=6、Gm=300μSと、残念な値でした。


          

そして意外にも古典管の6C6はμ=11、Gm=600μSと高性能です。


          

同じく古典管の6D6はさらにスゴく、μ=10、Gm=800μSと、部分的には27より高性能です。

スペースチャージグリッドは電子の支配度があまり高いと、そこでの電流が増え過ぎてしまい、増幅作用に不利となります。

よってグリッド巻線のピッチが細かい高Gm管よりも、ピッチが広い低Gm管の方が、スペースチャージ接続に向いていると考えられます。

ちなみにG3とカソードが内部結線されている球で下の様な回路を作った場合、増幅作用はきわめて低く、実用にはなりませんでした。


             


以上のレポートより、Eg1+2の高低による特性変化はそれほど大きくありませんが、高すぎると、g1+2のグリッド電流によりプレート電流が減少するとわかりました。

またEg1+2を1V以下まで下げてゆくと、全体が低電流動作に近づき、Eg3のコントロール機能が消滅し始めます。



つづく












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